手放すということ．．．

7月のフランスからの帰国は、

早朝、羽田へ到着する便でした。

午前中早い時間に、自宅へ着き、

旅行中にたまった洗濯物をしながら、

今、横になるととても気持ち良さそうだなぁ．．．と

考えながらも、

”今、眠ってはいけない！”と

誘惑と一生懸命に戦っていました。

洗濯を済ませた時、

”しばらく洗濯機の掃除をしていないな．．．”と

ふと気がつき、

”よしっ、やってみよう！”という気持ちになりました。

やり始めると

”なんでこんな日にやる気になったのだろう．．．”と

後悔とは違う、

自分の”阿呆”加減にちょっとあきれる気持ち。

”普段”なら”明日にしよう”と思うのに

今日みたいに疲れている日にやる気になるなんて

私って全く”変”！などと

掃除用におろした歯ブラシで

細かい箇所を磨きながら

そんなことを考えていたのでした。

”やり始めると楽しい、気持ちいい”

そんなことも考えながら

調子にのってゴシゴシゴシゴシ．．．と

すすめていたある瞬間、

すとんっ

握っていた手から歯ブラシが

放れそうになりました。

あーっ！

その箇所は、

ちょうどポケットになっているところで

どうやら歯ブラシの長さより

そのポケットの方が深いよう。

下へ沈みそうになる歯ブラシをどうにか

指で押さえる事はできたけれど、

上へ上げることができないのでした。

”絶対、放してはいけない！”

”もしこれが誰かの命を助けようとしているのであれば

絶対に絶対に放したりしないだろう。

真剣にそう考え、私は絶対に

この歯ブラシを放さないんだーっ！！”

と心で繰り返し、

必死な思いでつかみながら、

どうにかしてその歯ブラシを上へ上げようと

いろんな方法を試してみたのでした。

”こんな時に姪っ子たちがいてくれたらな．．．”

彼女たちの細い指でなら、

この狭いポケットに落ちかかっている

歯ブラシを簡単に取ってくれるだろう．．．

”は〜っ．．．”

いっこうに上がるような兆しが見えない。

やっぱりダメなのかな。

電器屋さんに来てもらって

このポケットを外して、取ってもらうしかないのかな．．．

と何度か考えたけれど

”いや、それも面倒。

自分でどうにかしよう！”と思い直し、

必死で上へ上げようとするけれど

やっぱりダメ．．．。

”あー、もうダメ．．．。”

”もう、仕方がない。この結果を受け止めよう。”

”手を放そう”と、とうとう決心しました。

そして、つかんでいた歯ブラシを

放しました。

ゆっくりと沈んで行く歯ブラシを見ながら

少し落胆する気持ち

(必死になっていた気持ちから開放されて)

少し楽になった気持ち．．．を

感じていたほんの2、3秒後．．．

歯ブラシが．．．

ぽか〜ん

と浮かんできたのでした。

”え〜っ！”

それを見た私

声を出して笑ってしまいました。

”え〜！！”

あんなに必死につかんでいたのにーっ！

ビックリ〜。

そんな気持ちにもなりました。

と同時に、

”何だか悩んでいることを

ずーっと握りしめていた自分みたい．．．”

と、

可笑しくなってしまいました。

以前の自分は、

何か悩みや考え事をしている時、
”これを解決しなければ！”と

必死になっていた。

何度も何度も

どうしてなんだろう？

どうすればいいのだろう？

を繰り返すが、

解決法が見つからない。

その状態は．．．

ただただ、
その事を自分の中に

必死に

”握りしめている”だけだったんだ。

まるで

”この悩み事を絶対に放さないぞ！”とばかりに。

『考え事は、

一度手放してみるといい。』

手放してみると、

案外、いいアイデアが浮かんだり、

しばらくすると、
自然とその事が解決していたりするのである。

宇宙の流れにまかせてみると

どうやら上手くいくようである。

まるで人間の姿を見せられたようで．．．

寝不足で苦しいなか始めた

洗濯機の掃除でしたが、

そんなことに改めて気づかされた貴重な機会？に

なったのでした。

科学や物理など理科系をよく分かっている人は
すぐに手を放していたのかもしれないな、
とも考えてしまった理数系に弱い私。

それにしても、

声を出して大笑いするのも気持ちよかったっ☆

出雲大社にて

(コメント返信)

Yachiyoさん

メッセージありがとうございます！私はなるべくEcoを心がけようと思い、洗濯機は、水を溜めて、お酢と重曹を入れた後、しばらく洗濯機を回しながら掃除をしています。これも効果ありますよ♪　歯ブラシでは、柔軟剤を入れるポケットを掃除したり、洗濯時に出た綿ぼこりを取るためのネットがついたところにポケットがあって、そこを磨いたりしています。その部分を掃除していた時、今回の事件は起こってしまいました．．．。「あらゆる"執着"を手放すこと．．．」なかなか難しいですね。あまり考えすぎないようにして、何となく心にとめておきたいと思っています☆　Tomoko